2016年9月16日金曜日

gadgetは少し前までは「実用的」でなかったという話

 gadget という単語は、ごく最近まであまり役に立たない小物として小説などで用いられていたようです。実用的ではないが気の利いたもの、でした(『新英和』 p. 996)。1900年代の初期の時点で見られるようになって、小道具とか、機械工作好きの作った小物、よくて、ちょっとした機械装置、といった使い方をされています。

 引用の幅が広いのは、前後に類似の語句が並んでいるためです。接頭辞とか関係するのかな(gad-get-.., gad-ge-t..)

 ところが、iPhoneなどスマホ、あるいはiPodなど音楽プレーヤーとしてのガジェットの普及があり、現代英英辞典(OALD p.635)では「何か使い勝手の良い小物(a small tool or device that does sth useful)」というような説明がされています。『新英和』の改定時期を考えると、PDAだったら、まだ役に立たない小物であった可能性は十分考えられます。PDAを使っていた者の私見ですけれどもね。

 似たような発音の「gazeta」との関連は調べた範囲ではないようです。この単語は伊・西・露などでは「新聞」や「官報」といった意味です。

 ちなみに、難語句なのかどうなのか、この綴りはとても難しいです。