2017年11月9日木曜日

SONY MDR-Z1000 はマスタリングに使えるという話



 ちょっといじってみたけれども、素早くイコライジングも決まるし、非常に優秀だと思いました。900STで弱い低域の扱いも、しっかり聞こえるので、とても楽です。

 スネアもバスも、単音の音が若干沈み込むけれども、こっちの方が本来の音なんだろうね。

 MDR-Z1000でクリアに聞こえるようにしたり、聞こえない音がないように調整していくと、スピーカーで聞いてもだいたいOKになります。効率いいですね。

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 とはいえ、値段もあって、Z1000は上級者向きの高等な病院かもしれません。最初の一つ目のモニターヘッドホンになにを買えばいいですか?といわれたら、良くも悪くも試金石として「900STです」、と答えます。スピーカーも使うといいよ、というかもしれません。Flying Dogが好きならこんなものもあります

 問題はその先のひとで、こういうのもあるんですよ~、といってZ1000を出してみるという。これちょっといいんですよ、頭部伝達関数ってあるじゃないですか、ああいう音をヘッドホンで出せるんですよー、みたいな。

 トランジェントとかベロシティとか、そういうampにかかわる部分とか、横に倒してみるとEQの立ち上がりとか、固定された完成作品をモニターを使って聞いてもよくわからないです。静的な、つまり動的でないグラフをいくら出されても意味がわからない。

 だから、なかなかオーディオ用のレビューを読んでも、いわゆるそこでいうところのハイアマチュアとかセミプロは「?」ってなると思います。Z1000を現場でみたことはないけれども、900STが30余年にわたって四半世紀以上かけてわが国の音楽を駄目にしてきた事実もありますから、現場にないから駄目なわけでもない。

 CGMでやってるなら、包括的でなくてはいけないという側面があります。「それだけの機材をお持ちでその程度なんですか?」「その見識は正しいですね、なぜならそういう音しか出ていませんからね」といわれてはいけないと思います。

 そういうわけで、実際転がしてみて、これはなかなかいけますねー、という感想です。最後は結局信頼に足るかどうかで、信頼に足るものですよ、と述べておきます。