2017年11月2日木曜日

オーディオ製品と減衰

 ヘッドホン出力というのは、かつては軽視されていました。

 だから、アンプの本来の使い方として想定されたスピーカーからの出力が調整されていればそれでいい、ということになっていました。

 しかし、ノイズに最も敏感になるのはヘッドホンでの視聴時です。

 ノイズの前提となる「音」というものは不思議なもので、ある帯域から外れると耳では聞こえなくなるし、また、ある一定の音量から下の音量は聞こえなくなります。だから、ノイズに対しては、アッテネーターをかまして、数db下げるだけで、全然違います。ノイズを構成する音が可聴帯域の外に追い出されて、聞こえなくなります。

 たとえば、-80dbでは耳障りでも、それが-100dbになると、途端に聞こえにくくなるということがあります。

 多少、増幅の効率が下がっても、そんなデカい音で試聴する馬鹿はあまりいないのです。したがって、プロ製品についているPADなども、それなりに現実解といえます。ライブハウスではアッテネーターが様々にかませてあります。

 逆にいえば、僅か10dbの調整を怠ったことで、ノイズが乗って過小評価されてしまうということでもあります。本当に惜しいですね。ノイズ好きだけど、ノイズのない前提からノイズ聞きたいし。