2017年10月9日月曜日

SONYのV88ESを通した音をヘッドホンで聞くときの工夫

 V88ESはヘッドホン端子から音を聞くと、ブーンというハムノイズが乗ります。フィードバックを逆相で送って多少打ち消しているようですが、それでもまだノイズが乗ります。

 けれども、V88ESを通した音は適度な歪みが加わって非常に美しいです。なんともいえないのですが、通すと音が変わるよいフィルタになります。通すだけで音が変わる、素晴らしいですね。

 そこで、あらかじめある程度音量を上げたV88ESの音を、DSPミキサーがついているMOTUのオーディオインターフェイスに通して、そちらのフェーダーで音量調節をすることにしました。これこそ「カレントiボリウム」とか電圧可変音量の考え方でしょうけれども、小音量時もいい感じになりました。

 あと単純だけど、減衰器を使っても同様の効果があるので、馬鹿にできません。

 プリアウトとか使えば多チャンネル化もできます。

 音量調節のついでに、(V88ESは電動パネルを開けると左右バランス、パン、を変えられるので)位相もそろえてやりました。






 とはいえ、発売から20年近い年月が経っています。リレーがうまく作動しなかったり、ヘッドホンで聞くと50Hzとその倍音が目立つとか(フーリエ変換させて確かめましたが、無音時はスペクトルにも反映されますね。。スピーカーなら問題ないですが)、いろいろ不具合があります。

 それでも、音は通すだけで変わるので、相変わらず引っ張り出してはいろいろ聞いています。たとえば、トラックが静粛になったときボーカルが入る瞬間などは、スピーカーでもヘッドホンでも、いつもV88ESの表現は鳥肌もので、ゾクっとします。