2017年4月12日水曜日

アイドルとアイドルを囲む集団

 アイドルや宗教は家族の代わりになるか? 無縁の共同体の可能性――佐々木俊尚×白河桃子対談


 佐々木俊尚先生と白河桃子氏の対談です。『サイゾーウーマン』の記事なので「えー、大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、この記事は比較的大丈夫なものです。

 まず、アイドルとその周辺にできる共同体は、性別によってざっくり分けることができて、女性は主にアイドルを囲う共同体を構成するが、男性ではアイドルと対等な関係の上で争奪競争をするそうです。

男性は「神と自分の一対一」、女性は「教会に集まる人たちとの共同体」を重視しているように感じます。(佐々木談より引用)

 私個人的には、なるほど言われてみれば、と。

 私の場合、仮想の男女、両方とも扱うという少しラディカルなことをやってきていたのです(微妙にアイドルとは違う)。それを女性のアイドル、つまり競争的な方の共同体に属する人が取り上げたこともありました。

 一方でこれ、経験上、仮想の存在が顔になっていると、それを作っている人の性別とか、受け手と送り手の違いだとか混交だとか、非常に複雑で、本当にそうなのかな、と思うところもあります。財を媒介可能かどうかも、少し違います。でも、人間とか芸能界に関しては(オリコン上位に並ぶようなアイドルとか)、おっしゃる通りなのだと感じます。そして、そういう対応(集団の構成方法)が求められる部分もあるんだなと。

 それで、サイゾーの記事では、コミュニティとして結婚が増えたが、それは景気減速で結婚して帰属する女性が増えたので、そうでなく、もっと気楽に入れる、束縛されないコミュニティの需要が模索される、と。これに関して、佐々木先生はこう述べます。

 「出入り自由な共同体」「束縛されないけど安心感がある共同体」、二律背反したものを求める人が実際増えてきている。“無縁の共同体”が、いい関係性を作れるんじゃないかと期待しています。(同引用)

 ただ、白河さんはそこには「保障」の面でまだ到達に壁があるのだといいます。

 女性のアイドルを女性が囲む、ということも増えていますが、こういう場合には保障を介さない気軽さもあるのかもしれません。保障かあ。なんとも私の紹介もまとまりが悪いですが、難しいですね。ムズい。宗教であれば、保障は、もちろん存在しないですが。