2016年5月12日木曜日

マスタリングのお仕事 近藤真央とアイ - "Rock And Roll"

 やったぜ。

 私は、2000年代のインディーズで活躍していたバンドのライン録音を整えていたりしました。ついでにいろんな話も伺いました。ロックバンドのくるりさんが初めてプロツールズを買った時の高揚感だとかアツい話を聞いたのは、KAITOのライブイベントをやった251の狭い入り口での屯だったりします。ごめんなさい学生だったんでお許しを。周りの評価とは別にして自己評価をすれば、あの頃はどうやってもどうならなかった。

 そんな中で、2014頃、バンド「近藤真央とアイ」さま。ゴリゴリのバンドです。前回が「ピースミュージック」という、ゆら帝とか録音している関係のところで、中村宗一郎さんの後釜としてマスタリングをしました。面白かったのは、その周辺の方がやったのか、そういうミックスが上がってきた時点では、曲単位ではもう

「これ俺別にやることないじゃん:;(´`∩);:

という完成度だったことです。(ここまでいつものセットですからねーすごい)



位相も揃ってたし。近藤くんからの注文は「爆音で!」ということでしたので従いつつ、アルバム単位マスタリングです。そうそう、あと「ボーカルが前に出るように」ということでしたから、倍音に気をつかいました。私も若輩なりに、先達を踏襲していつになくきちんとやったので、是非聞いてみてください。曲が気に入ったら、是非お手元にCDを。今月末は下北のERAに行くと会えるそう。251の反対側?会いに行って私のボカロどころでない過去の悪態の数々を聞き出すのはやめてください!タテ社会だからね!みんな忘れてるけどタテ社会だから(必死)

 マスタリングのお仕事、価格などは応相談になります。

 半分内輪向けですが、どんなプロフェッショナルでもレコーディングでバンドの音量・音圧感が上がらない理由は、デジタル機器のメモリバッファ異常や同期ミスによるプチプチノイズを隠すため(さらに高域を削る理由も音が良くなるからというよりはそのジッターエラーの隠蔽目的が大半)、というのがほとんどです。音圧や音量を上げると、ジッターエラーが目立つのです。試しに高域シェルビングであげてみてください。意味がわかると思います。これは邦楽ロックの悪しき慣習の申し送りです。ASIOの設定で直ることもあれば、同期の問題では正直機器自体がダメなこともあります。MOTUに至ってはUSBでは動いたことがないので、デジタル機器は、たしかにまだまだ相性の当たり外れが大きいです。難しい話ですね。ディザで確率的に潰すとか逆相で消すとか、いろいろ手法はあるけれども、正直な話、いわゆるデジタルの話として大人の事情で流れてしまって、飲み込めない人が多いです。あれはエンジニアのせいなんですよ。この仕事はそういうもの全部、徹底的に、完全に補正して潰しておりますのでご安心ください。性能の差と人がらがご立派でもエンジニアの実力の差でないことがだな。これが「いつになくきちんと」の中身です。前任者が大きいのもありますが。

 っていうかこれは私とやったことある人にしか理解できないけれども、無理な要求はよほど無理と判定しない限り人智と科学を超えていても全てやる人なので。実は魔法使いなんですよ。内緒ですよ。ちょっと魔法の粉を、このおとがよくなるみずにこうやってつけて。そして、彼らは間違ってもレコーディングバンドではないです。実力派ですので、ライブに是非、ですね。

 あとねーあれだねー、真夏の夜の淫夢の舞台は251周辺だけれども、KAITOファンの方々は行ってみたりなさったのかしら。わたし個人的にはカレー屋以上にそこが気になりますね。スープカレー(意味深)美味しいですよね。ガチリスペクトですわー。伝説ですね。あとは、青い飲み物好きだから、お得意のそういうオシャレなアレあったら行ってみたいなあ。